手紙

友人から手紙が届きました。実はこれが2通目。僕のメアドも知っているはずなのに、きっとあえて手紙にしているのだと思います。随分と昔ですが、彼から突然絵ハガキが届き「今、どこそこに旅をしている。・・・別に返事は要らない。もらったから返さないと、といった気遣いはめんどくさい。ただ受け取ってくれればいい」といったような内容でした。

彼と出会ったのは、学生卒業してアルバイトして(まともな就職活動しなかった。。。)、朝日新聞の求人広告で「なんか面白そう」と応募した会社の面接でした。応募者が4~5人いたのですが、そのうちの一人で、僕よりも3~4歳年上でしたが、今までは青年協力隊としてサモアにいたとのこと。それだけで「こいつ、なんか凄そう」と感じました。結果的に同期入社となりましたが、それもあって親しくしていました。何かしら威厳めいたものを持っているのに人なつっこい&ずる賢い、とっても人間味のある人で、それもあってか仕事も僕よりも成績良かった。僕は彼にいつも少しの憧れのようなものを抱いていたと思う。

いつだったか赤坂で飲んで(会社が赤坂でした)、電車がなくなったので「桜新町の俺んちに来いよ。歩いていけるから」と彼を誘うと、それが当然とばかり青山通りを歩き出した。しかし酔っていることもあって青山あたりでどちらからともなく「疲れたな。ちょっと自転車に乗っていくか」と路上駐車されていた自転車を失敬して(多分、カギは壊したんだと思います。よく覚えてないけど)、2人でドロップハンドルの自転車で青山通りを疾走!表参道の交差点で「ピーーーーッ!こら、止まれ!」。そして赤坂警察署へ引き連れられ、朝まで署内で過ごすことに。8時頃に警察の人が「会社に電話して、上司に連絡しなさい」となり、営業部長のMさんに「すみません、実は・・・」。上司は「ばっかやろう!」と言いながらも少し笑っていました。

彼から最初にもらった手紙の返事に「ここまで来たけど、まあ正直いってあとはいつ消えてもいいと思っている」といったことを書いたのですが、今回の彼の手紙には「いつ消えてもいいや、とは全くもったいない言葉だよ。死ぬときに過去形で"あんな幸せな時期があった”と回想しながら死ぬのはやめよう。現在進行形で終われるようにしませんか」

現在進行形で自分を終える、良い言葉だ。憧れる姿勢だな。自分もそうありたいと思う。

最近はほとんど会うこともない、まさに心の友の一人からの貴重な言葉、しかも手紙に書かれた言葉。ビールを飲みつつ、まるで牛が反芻するかのように、何度も手紙を読み返しました。

スモークロッジ飯能の森

埼玉県飯能市の低山中腹にある燻製小屋のサイトです。昭和40年代に建てられた別荘を安く譲っていただきました。庭が広く、たまにイノシシやカモシカも来ます。 燻製のこと、キッチンカーのこと、カモシカなど訪問者のこと、身近な自然のことなどを紹介していきます。

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